2005年9月アーカイブ

教員エッセイ:RAC活動のススメ

 私が去年まで在籍し活動していたローターアクトクラブ(ROTARACT CLUB、以下RAC)の紹介をいたします。

 RACとは1968年に国際ロータリーが推進し、創設し、ロータリー・クラブが提唱・スポンサーをしている18歳から30歳までの青年男女の集まりです。RACの目的は個々の能力開発に役立つ知識や技能を高めて、それぞれの地域社会の物質的・社会的ニーズに取り組み、親睦と奉仕活動を通じて全世界の人々により良い信頼関係を推進するための機会を提供することにあります。

 RACは全国に423クラブ存在し(H16現在)、福島県内には7クラブあり、私はそのなかのひとつであるいわき平RACに8年間在籍していました。いわき平RACの主な活動としては社会奉仕活動として、福祉施設訪問、清掃活動、あしなが育英会への支援、チャリティーコンサートの実施などを行いました。また、社会人としての教養を高められるような文化講習としてお茶会、華道、テーブルマナーを開催したり、各種専門分野で活躍する方を招き講演会を開催したりしました。RACは親睦を重視していますが、それには理由があります。人との親睦によって人を顧みるゆとりができ、相手の身になって考えることができ進んで人のために尽くす心が湧き起こり奉仕の志が生まれます。心の底から湧き上がった奉仕の志のもと様々な活動が展開されていくのです。このように親睦によって奉仕が生まれるという考えに基づき、多くの楽しい親睦活動も企画されています。

 一定の制限はありますが自分たちで考え、計画し、実行するという機会を得たことで様々な経験ができ、多くの知識を身につけることができたと実感しています。集団に属することは何かと煩わしいと感じることも多いかもしれませんが、集団に属することによって得られるものも多くあると思います。集団のなかで自分とは違った性格の人、経験の異なった人、異なる環境で育った人とかかわり意見を交換し合うことで、自分の欠点、長所が発見でき、人の見習うべき言動、あるいは考えさせられる態度に遭遇します。このような状況のなかで活動することによって心を許しあえる友達ができたり、自分を制することを学んだりして自己研鑽、自己開発がなされていきます。RACの活動を通して学んだことは家庭や職場においても十分に役立てることができます。そして同じ目標に向かって考え、計画し、実行し、多くの苦楽を共にした多くの仲間は「生涯の宝」になることと確信しています。

 RAC.jpgRACの活動に興味のある方は是非一度例会に参加してみることをお勧めいたします。
 いわき平RAC 連絡先:いわき市平白銀町4-13-2F
 (いわき平ロータリー・クラブ事務所内)
 TEL兼FAX:0246-25-3000

                                                
今橋 みづほ

 フランスの詩人ポール・エリュアールの言葉に「年をとる―それは年月の中で、青春を組織することだ」という、豊かに張りつめた美しい言葉があります。この言葉は、シュール・リアリスト(超現実主義者)として出発した詩人が、ナチスの支配下にあった祖国フランスにおいて、その非人間的抑圧に抵抗するリアリスト詩人として再出発する自己変革の過程を感動的に歌い上げたものです。

 この言葉にある「青春」とは、青春を謳歌する類のあのロマンティックな愛の幻想に彩られたものでは必ずしもありません。ファシズムの激しい弾圧の嵐の中で、「エルザ、エルザ、ただ君のため!」と愛する女を歌ったアラゴンの詩が、踏みにじられた祖国フランスへの愛と分かちがたく結ばれていたように、エリュアールの簡潔な詩の一節に、ナチスの非人間的抑圧に死を賭して闘った詩人の自己変革への熱い思いが詩情豊かに表現されています。この言葉は、思想・信条の枠を越えて、人間的成長を願う若い人々の瑞々しい感性に訴える含蓄に富んだ言葉ではないかと思います。

 ところで、「戦争を知らない」世代の若者たちという言葉が世に喧伝されるようになって久しくなります。戦後六十年、世の中の動きはめまぐるしく変化し、若者の意識・価値観も多様化しました。戦後民主主義の息吹の中で新憲法を学び、六十年安保の激動の時代に学生時代を送った同世代の私たちは、暗中模索の中を必死に学習に励み、明日への飛躍を夢見て青春の炎を燃え立たせましたが、若い学生との間に深い世代の溝を感ずることがあります。確かに、思想・信条、人生観、生活感覚など、40数年におよぶ世代の溝を埋め合わせるのはそう容易なことではありません。しかし、学習・教育の共通の土俵の中で、若い学生と心の通い合う共通の言葉を見いだしていきたいと願っています。

 新世紀への期待も空しく、人類の未来は必ずしも明るいとはいえません。この危機と混迷の時代にあって、若き人々が青春をいかに生きいかに学ぶべきか、今ほど問われているときはありません。私たちの生きる現代社会は、大学という温室めいた「春の城」(阿川弘之)の中で、そのうつろなぬくもりを楽しむことができるほど平穏無事ではありません。好むと好まざるとにかかわらず、歴史の荒波が大きなうねりとなって、私たちの身辺に容赦なく押し寄せてくるでしょう。

 とすれば、大学に学ぶすべての学生が、明日への力強い飛躍に向けて、厳しい現実に立ち向かう若者らしい勇気と豊かな知性、濁りのない目で真実を見抜く力を身につけて欲しいと願わずにいられません。そのためにも、絶えざる学習を通して知性を磨き、古い自己の殻を脱皮し、新しい自己へと鍛え上げて欲しいと願っています。このことこそが「青春を組織」し、青春を真に生きることであると思います。

 冬の時代にあってもなお、凍てついた土の下から、豊かな春の泉を汲み取ることができるように、豊かな明日への飛躍に向けて一歩一歩力強い前進の旅を歩み続けようではないか!この東北の母なる大地に、君たちの青春を豊かに花開かせるために!

安藤 勝夫