吉野 公喜の最近のブログ記事

教員エッセイ:善き研究者は、すべからくに謙虚なり

事実を事実として見る人尊し

事実のなかに真実を観る人さらに尊し

事実を事実として見ようとしない人醜し

事実を歪めて観ようとする人さらに醜し

  事実のなかに真実を観るとき、あるいはそれを予感できるときほどわくわく感に心躍ることはない。真実は時間と空間を超えて普遍性を内包する。研究とは、諸々の事柄・事象のなかに普遍性を見いだす作業と考えたい。普遍性とオリジナリティを生命線とする新しい知見を世に問うことは、研究者の社会的使命である。新知見を世に問い、教育研究にそれを生かす。研究者冥利に尽きよう。

 「善き研究者は、善き教育者なり」、そして「善き研究者は、すべからくに謙虚なり」と思いたい。

 福祉環境学部研究紀要には、21世紀の福祉の創造を願って教育研究に余念のない福祉環境学部教員の研究論文が掲載されている。いずれも査読を経ての研究論文である。

 福祉環境学部研究紀要が社会福祉関連学界そして地域福祉の向上のための一翼を担うことができれば、これほどうれ しいことはない。

 上記は、平成16年度に開設した東日本国際大学福祉環境学部研究紀要創刊号の巻頭文である。

 福祉的営みは、当事者であるその人が「メインストリーミング」におかれることがなによりも大切になる。しかし、福祉という名のもとになされている研究あるいは教育そして実践を目にするとき、「誰のための福祉」、「何のための福祉」かに疑問符を投げざるを得ないのが現実である。「その人が、その人として、その人らしくありたい」との願いに寄り添う支援(福祉的支援)は、その支援にあたる人その人の人間性そのものが厳しく問われる。福祉的支援の場では、善き研究者は、同時に善き教育者そして善き臨床家であることが求められる。

 福祉に携わる研究者、教育者そして臨床家は、福祉的支援を受けるその人によって文字通り磨きをかけられることになる。

 「立ち向かう人の姿は鏡なれ、己が姿を映してや見む」を座右の銘にしたいと思う。

吉野 公喜