赤司 秀明の最近のブログ記事

 

 

「彩の国ビジネスアリーナ2009」で東日大と山大が共同研究発表

 

 

2009127()28()、さいたまスーパーアリーナで開催される北関東最大級の展示商談会に山形大学工学部が3ブース出展し、そのうちの一つで「コーヒー出殻によるヒ素汚染水の浄化」に関する研究が展示発表される。

 これは開発途上地域であまり費用をかけずにヒ素を除去する方法の研究として、数年前から東日本国際大学福祉環境学部赤司研究室と山形大学工学部皆川研究室とで共同して進めてきたものである。

 コスト面では、廃棄物であるコーヒー出殻の活用がヒ素の除去に有望であり、自立自助、持続可能性に関しては、現地の歴史、文化、風土、生活習慣、社会制度などを踏まえた福祉環境の視点からのマニュアルづくりが検討されている。

連絡先 : 彩の国ビジネスアリーナ2009実行委員会
       TEL 048-647-4086  

 

 

赤司ゼミの活動が福島民報に掲載されました

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 子どもが親(保護者)から良く愛されることの大切さは、いくら強調しても強調しすぎることはないと思います。

 1920年にインドで狼に育てられたといわれる二人の少女が発見されました。シング牧師夫妻にカマラ(推定8歳)とアマラ(推定1歳半、保護後1年ほどで死亡)と名づけられて育てられ、その後、いろいろなことがわかってきました。まず、親が狼だと、狼以上の人格を持つことができないということです。食事をする時も手を使わないで、狼と同じように口で直接食べ、急いで移動する時も、狼のように四つんばいになって移動します。さらに時間が経って徐々にわかってきたことは、ある一定の年齢を過ぎると言語の習得が難しくなるということ、それから人としての情緒性の成長が正常にできにくくなるということです。故に、望ましい人格形成のためにも、人が乳幼児期~児童期に親(保護者)から受ける愛情や養育がいかに大切かということが理解されます。

 また、我が国の脳型コンピュータ開発の第一人者、松本元博士の研究によると「愛するとは対象に対する自己の同化、関係寄せであり、愛する回路は愛される経験なしには獲得されない」とのことです。人は、乳幼児期はもちろんのこと成長過程において良く愛されないと、人を良く愛することができず、誰かから大事にされた経験がないと人を大事にすることができないというわけです。人は生まれたら、望ましい社会生活をなしていくためにも、やはり先ず良く愛されることが重要であると考えられます。


 更に「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」(座長・有馬朗人元文部大臣)の報告(2005)でも、「適切な情動の発達については、3歳くらいまでに母親をはじめとした家族からの愛情を受け、安定した情緒を育て、その上に発展させていくことが望ましいと思われる。」と述べられています。


 生まれたての人の赤ちゃんは衣食住等の生活上のことは何もできず、親(保護者)がいないと生きていけません。赤ちゃんは親(保護者)から良く愛され養育されることによって、心身共に活性化し、人として健やかに成長することができます。

 人の赤ちゃんが、他の動物よりも手がかかるようにできているのは、先ず人として良く愛され大事にされるために、わざとそう創られているのではないかと思うほどです。

赤司 秀明

(2006/8/10掲載)

教員エッセイ:家族機能の向上による高齢者虐待防止

 我が国における高齢者虐待に対する認識は、児童虐待などとくらべ未だかなり低いと言わざるをえませんが、近年その認識が徐々に高まり、対処する法律制定の動きもあります。

 高齢者虐待に至る要因は様々あげられていますが、問題の本質はやはり人の心の中にあるのではないでしょうか。ユネスコ憲章(1945年11月)前文に、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦(とりで)を築かなければならない」とあります。高齢者虐待も人の心の中に生まれる小さな戦争です。この人の心の状態が形となって現れたものが高齢者虐待ですから一人ひとりの心の中に高齢者虐待防止のための平和の砦を築かなければならないと思います。

 多くの調査研究によると、在宅での高齢者虐待の大部分が家族によるものですから、家族の心の健康問題という視点が重要であり 家族の持つ本来の機能ということに注目する必要があると思います。厚生労働省の委託で大規模な全国調査をおこなった医療経済研究機構の「家庭内における高齢者虐待に関する調査報告書」(2004)でも、虐待の要因として当事者の性格、人格、人間関係等が上位にあげられています。虐待は家族一人ひとりの生育歴や家族関係の歴史性などから醸(かも)し出される家族機能の状態と無関係ではないと考えられます。

 家族は言うまでもなく社会の基本的な構成単位です。そこには家族構成員の生活を維持し保障するという生活保持機能と愛情や精神的安らぎの場を提供する精神的充足機能があります。人は関係性の充足の中に人生の喜びや生きがいを感じ取ることができるものであり、その一番の基礎が親子、夫婦、兄弟姉妹という家族関係にあります。特に家族の関係性は他に代えがたい特別なものがあり、この関係性の充足とは精神的充足、すなわち家族による愛情や精神的安らぎの充足ということに他なりません。

  我が国の家族機能は、家族形態の変容や離婚の増加等に見られるように、弱体化傾向にあります。その再建は一朝一夕に成就できるものではなく、時間のかかる課題ではありますが、家族の重要性を再認識し、家族のもつ本来の機能が再建され向上することによって家族の関係性が改善され精神的充足の場が提供されることが、家族の心の中に平和の砦を築くこととなり、法律に勝るとも劣らぬ高齢者虐待防止の一助となるのではないでしょうか。また、家族機能の向上は虐待防止のみならず、さらに多くの社会問題解決の基盤ともなるのではないかと期待されます。

赤司 秀明